”自分らしく” と ”自分本位”
すべての人が、 ”自分らしい” 埋葬供養を選べているのでしょうか？
この永代供養墓も含めて、
ここのところ 埋葬供養の様式が多様化しております。
これまでは、ある意味で
・どなたかお亡くなりになられれば、お墓を建てる
・お墓は、代々引き継いでいく
ことが当たり前であったのが、現在では
永代供養墓もあり、
散骨もあり、
樹木葬もあり、
はては 宇宙葬（！！！） まであります。
東京都などでは、ご遺骨の行き場がないことが深刻な問題であることから、
行政側が主導で、 樹木葬、集合墓地などの整備を進めております。
さて消費者にとっては、 ”選べる” ことは良いことなのですが、
はたしてすべての人が、 ”自分らしい” 埋葬供養を選べているのでしょうか？？？
ここでタイトルに戻りますが、
”自分らしい” 埋葬供養 ではなく、
”自分本位の” 埋葬供養 をお選びになっているパターンが非常に多くなっているようです。
ここでいう
”自分らしい” とは、どういうことでしょうか。
それは、
家族、跡取りとの対話の上で、自分の社会的な立場、交友関係、領分に合った埋葬供養を選ぶということです。
例を挙げれば、
石材店に吹っかけられて、不必要に高価な墓石を買うことでもなく、
また逆に、
安さ、安直さ、利便性ばかり追いかけて安易に散骨などを選ぶということでもなく
冷静に情報を見定めて、自身に合った形を選ぶ、ということです。
一方、
”自分本位” とは、以下のような事例です。
家族、跡取りとの対話なしに、”子供はどうせ跡をみてくれない”という諦めから、勝手にお墓を撤去したり、集合墓地を選ぶ
残された遺族や、お参りをしたい人たちのことは考えずに、例えば”自分は海が好きだったから”という理由で海洋散骨を選ぶ
どうでしょう？？？？お心当たりのある方は、、、、、
現代は団塊の世代の方を中心に、
”自分のことは自分でカタをつける”
”子供には迷惑をかけたくない”
というお考えの方がたいへん多いように見受けられますが、
”子供にはどんどん迷惑をかけていくべき” という考え方も、近年高まってきました。
それは口で言うのは簡単で、実際に行うのはとても大変なことだと思いますが、やはりあえて言います。
そしてまた、現代の若者たちも決して捨てたものではなく、親に対して
「もっと自分（子供）を頼ってほしい」 → ※対話したい
と考えている人もたくさんいるのです。
人間は、赤子として生まれて、人の手を借りなければまったく生きていけない時間を長く過ごします。
そうして家族や、親戚や、土地の人、この国にお世話になりながら、
やがて自立し、また順送りでわが子を世話し、育てていく経験をします。
そしてやがて年老いていくにつれ、
あらゆる意味で
”子供にかえって” いきます。
そんなわが親の介護、お世話をしていく中でしか学べない幸せというものが確かにあると聞きます。
年老いて介護が必要な親が目の前で、なすすべもなく自分にすべてをゆだねているとき、
「ああ、自分も生まれたとき、こんな思いで親にお世話してもらっていたのか」
と考えると、もうそのことが愛おしくてたまらなくなるという方もおられました。
このことをお伝えするのは勇気のいることです。
なぜならば、お客様が 散骨がいい、樹木葬がいい、永代供養がいい、 お墓はいらない、
とおっしゃられれば、小難しいことは言わずに
「それではそのようにご案内いたします」といってそのサービスを提供すればよいだけなのですから。
しかしそこには、 お墓や埋葬供養にとってもっとも大切な ”想い” はなく、
ただ”売り”があるだけです。
本当の意味で、永代供養や散骨を必要としている方は、
たしかに多くいらっしゃいます。
ただ、ご自身にそれが合っているのかどうかは、ぜひご家族としっかり対話して、
後悔のない埋葬供養をお選びになってください。